散文

にんじんの色

魑魅魍魎うずまくといったらおかしいけれど、とにかくそう言っても差し支えがないような東京という街で、毎朝、人間をひんぱんにすりつぶすことで有名なオレンジ色の走る鉄の箱にぎちぎちに詰め込まれながら、会社に行ってはモニターとにらめっこをするとい…

どん詰まり感、夏

たとえば、池袋のサンシャイン通りで、いや、そこは梅田だって、下北沢だって、難波だって京橋だって、新宿歌舞伎町だって、どこだっていいのだけれど——しこたま飲んでしこたま歌って果てはうつらうつらしてとなりの人の二の腕に顔をもたせっちゃったりなん…